中古を買ってリノベはお得?今、注目の集まる中古住宅
中古+リフォームはお得
中古戸建の場合、流通価格のほとんどを占めているのが土地の価格です。 木造の建物そのものは、税法上の耐用年数(22年)を参考に、築後20〜25年経過すると、価値がほとんど無くなるとみなされるのが一般的だからです。 耐震性など構造面で50年前後使用可能な住宅でも、外観や間取りなどにおいては今の時代の流行に合わないというケースもあり、 中古戸建は土地の価格だけで取引されることが多くなります。そのような場合、中古戸建を購入した人は、まだ十分使える建物を取り壊して住まいを新築します。 しかし、最近は中古戸建をリフォームして住むことを前提に購入する例が増えてきています。住宅メーカーも中古住宅を購入して、検査・リフォームし再び販売するということを積極的に行っています。 「価値再生住宅」と呼ぶ物件は、基礎や躯体をそのまま使うことで、新築価格の6割ほどの価格で新築同様の住宅に仕上げて販売します。 販売が住宅メーカーになるため消費税の課税対象ですが、割安な建物価格で販売は増えると見込んでいます。
実際、ここ20〜30年の間に建った戸建て住宅の建物としての耐用年数は、大半が50年程度は十分にあり、 適切にメンテナンスを続ければさらに長持ちするとの意見が業界では一般的です。新築ばかりに目を向けず、基礎や骨組みなどの構造躯体に問題がないなら、 内装をリフォームすれば新築と変わらない住み心地を得られ、土地・建物代にリフォーム費用を足しても新築を買うより安く済むことも多い中古住宅も視野に入れれば、 物件の選択肢は大きく増えるはずです。
家の「事実上の価値」を測る
建物の資産価値を測る目安として、「法定耐用年数」が決められています。住宅などの非事業用であれば、この年数に1.5をかけた年数が減価償却期間となります。 もちろん、法定耐用年数を過ぎたからといって、建物自体が住めなくなるわけではありません。実際の中古住宅の耐用年数を決めるには、 その住宅の使用可能期間を合理的に見積もって決めることになります。
住宅の法定耐用年数 | |
◆木造モルタル造…20年 | ◆木造パネル構造…22年 |
◆鉄骨造(骨格材の厚さ3㎜以下)…19年 | ◆鉄骨造(骨格材の厚さ3㎜〜4㎜)…27年 |
◆鉄筋造(骨格材の厚さ3㎜以上)…34年 | ◆鉄筋コンクリート造…47年 |
※住宅の法定耐用年数は固定資産税の減価償却期間を算出する目安です。 |
これからの住宅市場では、画期的な構造改革が始まろうとしています。中古一戸建ての評価手法を国が根本的に見直し、これまでのような20〜25年で建物の価値をゼロとみなす慣行を改め、30年、40年と築年数が経過しても、一定の住宅についてはしかるべき評価が行われる市場を創ろうという試みです。 国土交通省は平成25年6月、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定しました。 インスペクションとは、住宅の劣化状態や不具合の有無、改修すべき箇所などを見極める住宅診断のことです。 ガイドラインでは、中古住宅売買時の利用を前提とした基礎的なインスペクションについて、検査方法やサービス提供の留意事項などの指針が示されています。中古住宅の品質や性能に対する消費者の不安を低減し、住宅流通の活性化を支援するのが目的です。
意外と多い!中古戸建のメリット
今後、ますます注目されるであろう中古住宅のメリットを新築住宅と比べてみました。
中古 | 新築 | |
戸建て | ●(リフォームの)間取り変更が比較的自由 ●工事費用は新築より安い ●固定資産税が安い ●管理費がかからない ●個別の耐震補強が可能 |
●(注文住宅の場合)間取りが自由 ●最初から耐震設計なども可能 ●資産価値が高い ●管理費がかからない ●ローンが組みやすい |
マンション | ●購入価格が安い ●リフォーム費用が安い ●固定資産税が安い ●修繕などは修繕積立金で賄う ●管理業務は業者に委託 |
●間取りの変更はある程度可能 ●資産価値が高い ●修繕費などは修繕積立金で賄う ●管理業者は業者に委託 ●ローンが組みやすい ●バリアフリーなど老後への対応が充実 |
中古物件をもっと安く買う方法
中古物件も購入対象になったならば、以下を参考にお得に買いましょう。
1.リフォーム済みを避ける
リフォーム済みだと300〜500万円ほど高くなる傾向があります。
自分でリフォームする必要がないのでお得と感じられるかもしれないが、思ったようなリフォームがなされていなければ、 改めて自費でリフォームを発注する必要が出てくるので、最初から自分でリフォームすることを前提に物件探しするのもオススメです。
2.住宅ローン控除は中古でも受けられる
住宅ローン控除とは、その年の所得税から一定の金額が控除される制度。一定条件をクリアすれば中古購入でも受けられます。
控除を受けられる条件
●住宅ローンの返済期間が10年以上
●住宅の床面積は50㎡以上
●築25年以内で必要な耐震構造が基準に適合
●控除を受ける年の合計所得が3000万円以下
●控除を受ける年の12月31日までに入居
3.消費税ゼロで中古物件を買う
不動産会社などの法人が所有の中古物件を購入するときは消費税が発生しますが、個人所有の場合なら消費税は発生しません。
4.一定条件を満たせば税金が軽減される
対象となる税金
税金の種類 | 条件 |
---|---|
登録免許税 | 自己住宅用で、築25年以内の床面積50㎡以上(登記上)の物件で、取得後1年以内になされた登記 |
不動産取得税 | 床面積が50㎡以上240㎡以下、自己の居住用で、取得日前20年(耐火構造なら25年)以内に新築された住宅 |
5.夫婦共有名義でローン返済にメリット
2人でローンを組めば控除が2倍に
物件の購入に際して、夫婦がそれぞれ資金を出し合って購入した場合、これをどちらかの単独名義にしてしまうと贈与税が発生しますが、共有名義にすれば発生しません。共有の割合は一般的に出資額になります。また、共有名義にすることは住宅ローンを組んだ場合でも有効で、それぞれの名義で住宅ローン控除の対象にすることができます。
6.リフォームの相場を知る
間取り変更の有無や設備グレード、工事内容の差異などによってリフォームにかかる費用は大きく左右されるため「定額」がありません。例えば、壁付けのキッチンを同タイプの最新設備に変える場合と対面式に変更するのでは、配管や床などの付属する部分の工事範囲が変わります。また、それぞれの家によって構造が異なり、築年数や老朽化の度合いなどによって工事範囲も異なります。正確な見積もりを算出するためには、現場を見て必要な工事内容を洗い出し、プランを設計しなければなりません。
とはいえ、リフォームにも相場は存在します。こうした相場や設備メーカーのカタログなどを参考にしながらリフォーム内容や設備グレードを検討すると、大まかな予算感がつかめるはずです。また、5、6社のリフォーム会社に概算費用を質問すると、より具体的な相場感をつかむことができます。
おすすめは、その中から絞った2、3社に見積もりを依頼することです。1社だけでは見積もりが適正かどうか判断できないので、必ず数社を比較して適性価格を探りましょう。
中古住宅を評価する仕組みの整備進む
住まいの長寿命化が進めば、中古住宅の取引も活発になります。そのときには、中古住宅の性能評価が重要になります。住宅の認定制度である「長期優良住宅」や「低炭素住宅」への期待も大きいです。
長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するために9つの性能項目で必要な措置が講じられた住宅です。低炭素住宅は、省エネ性能が高く、結果的に二酸化炭素の排出を抑制することができる住宅です。これらの認定を受けていれば、一定基準以上の質を確保した住宅として安心して取引を行うことができます。
中古住宅を売買する際に住宅の劣化状況や欠陥の有無などについて専門家の診断を受けることも可能です。ホームインスペクター(住宅診断士)制度と呼ばれるもので、日本インスペクターズ協会が資格試験を実施し、合格者が公認ホームインスペクターとして診断を請け負います。外回り、室内、床下、天井裏などを目視でチェックし、メンテナンスすべき箇所や時期、目安資金などについてアドバイスを受けられます。今後は将来の資産価値を見据えた住まい作りを重視されていくのではないでしょうか。
【新制度】中古住宅購入時に改修費補助
政府は中古住宅を購入する際に必要なリフォーム工事の費用を、1件当たり最大で50万円補助する制度を創設しました。欧米に比べて少ない中古住宅の取引を活発にし、深刻になっている空き家問題の解消につなげるのが目的です。ただし、対象を40歳未満の購入者としています。
●リフォーム内容:耐震補強、省エネ改修など
●申込方法:リフォーム施工業者が国に申請
●適用条件:専門家による住宅診断
●補助額:リフォーム内容に応じ最大50万円+住宅診断費5万円
中古住宅を売買する際に住宅の劣化状況や欠陥の有無などについて専門家の診断を受けることも可能です。ホームインスペクター(住宅診断士)制度と呼ばれるもので、日本インスペクターズ協会が資格試験を実施し、合格者が公認ホームインスペクターとして診断を請け負います。外回り、室内、床下、天井裏などを目視でチェックし、メンテナンスすべき箇所や時期、目安資金などについてアドバイスを受けられます。今後は将来の資産価値を見据えた住まい作りを重視されていくのではないでしょうか 。
詳細はこちらからご確認ください→住宅リフォーム推進協議会